464 :1/4 :03/07/01 17:03
「棒の手紙」は平成10年5月の朝日新聞(夕刊)に載ってます。最近のテレビでも紹介された筈。
以下、当時の新聞記事をそのまま(長文のため、4回に分けます。

*棒の手紙/意味不明「あなたに棒が訪れる」/不幸の手紙“変異・増殖”?

「春先に母親が脳出血で倒れました.。生死の間をさまよっているときに、突然『棒の手紙』なるものが舞い込みまして……」。
こんな怒りの手紙が読者から届いた。同封されていた「棒の手紙」は、「28人の棒をお返しします」という意味不明の書き出
しで始まっていて、昔からある「不幸の手紙」によく似た内容だ。手紙を書き写して何人かに出さなければあなたは死ぬという、
例のやつである。「それにしても、『棒』って一体何でしょう?」とこの読者は困惑していた。

●心労

読者は、横浜市に住む四十代の女性。
元気だった母親が二月下旬にくも膜下出血で倒れた。手術したが意識は戻らず、いつ死ぬかもしれない状態が続いていた。不安と
心労に耐えているときに、「棒の手紙」は届いた。

大船(神奈川県鎌倉市)の消印があり、差出人の名前は書いてない。開けてみると、手書き文のコピーが一枚だけ入っていた。
読み進むうち、昨年の秋から奇妙ないやがらせが続いていることに、ふと思いたった。
家族のだれも注文していないのに、かつらや痔の薬が送りつけられてきた。さらに英語の教材や、塗り絵で性格などを診断する
セットが相次いで届いた。

たび重なるいやがらせと「棒の手紙」は、関係があるのか、ないのか――。怒りがこみあげた。迷わず無視したが、「棒」の意味
がわからないことが気にかかった。



●大学

「棒の手紙」の文中には、「殺された」女子大生の住所として、東京都内のある市が記されている。文中の町名は実在するが、番地
は実在しない。
だが、同じ町のよく似た番地に大学がある。その大学は、女子大生が所属しているとされている大学と、一字違いの校名だ。

「ええ、問い合わせはあります。そのつど、ご心配なさらないようにと答えていますけど……」
手紙に校名を書かれた大学の職員は困惑ぎみだ。一昨年の夏ごろから、「こんな手紙が届いたが、事実なのか」という電話がかかるよ
うになった。

大学によると、全国各地から、多い時には一日に数件の電話があった。最近は週に数件ぐらいに減っている。
そもそもこの大学には政治学科はない。念のために調べたが、過去にも現在も、文中の女子大生と同名の在籍者はいないという。

●真相

「不幸の手紙の処分をします」。読者に向けたこんなメッセージを、ある月刊誌の中に見つけた。音楽専科社(東京)の「アリーナ
37℃」という、若者向けの音楽雑誌である。
渡辺孝治ニ編集長によると、「不幸の手紙が来て困っている」という読者の投稿をきっかけに、二年前から処分を引き受けるようにな
った。これまでに約三百六十通が送られてきた。


興味半分で調べるうち、渡辺さんは、一昨年の九月を境に、ある変化が起きたいるのに気づいた。「不幸の手紙」がなくなり、一斉に
「棒の手紙」に変わっているのだ。

「棒って何だ?」
机に手紙を並べて思案していると、若い編集部員がふと言った。
「だれかが『不』と『幸』をくっつけて書いて、それがいつの間にか『棒』になったんじゃない」
渡辺さんはうなった。

確かに、「棒」を「不幸」に置きかえれば、文の意味は理解できる。それにこの種の手紙は、すべて横書きである。
真相は分からないが、この解釈以外にないと渡辺さんは考えている。
「だれかの間違いが一斉に流布し、手紙が届いて不安にかられた人が、意味不明のまま書き写して投かんしているようです。ばかばかし
い拡大再生産はもう終わりにしませんか」と渡辺さんは言っている。

          ◇

ちなみに、「棒の手紙」を無視した横浜市の読者の母親は、幸いなことにその後ゆっくり回復し、現在リハビリに励んでいる。


▼横浜市の女性に届いた「棒の手紙」

28人の棒をお返しします。
これは棒の手紙といって、知らない人から私のところに来た死神です。
あなたのところで止めると、必ず棒が訪れます。
〒●● 東京都●●市●● ●●−●−●●
●●大学 法学部政治科4年 ●●●● さんが止めたところ
●●●● さんは殺されました。
12日以内に文章を変えずに、28人に出して下さい。
私は1006番目です。
大変申し訳あしません。これはいたずらではありません。

1998年(平成10年)5月16日付『朝日新聞』(夕刊)

――以上です。



管理人:不幸の手紙の類ってそんなに出まわってるものなのでしょうか?私も友人もまったく経験がございません。