混線した電話


どこの国にもちゃらい男はいるもので、ドイツの某都市に住む男性はなまじっかモテるものだから、
女を取っ換え引っ換えしていた。それこそパンツを履く間がないほどに。
男はまた違う女に行こうかなぁと思い、今付き合っている女と手を切ることにした。
今のは結構嫉妬深いところもあってそろそろ飽き飽きしていたところなのだ。
男は急に怒りながら別れ話を持ちかけた。経験上、こうしたほうが案外分かれやすいのを知っていたからだ。
俺は友人と1週間もリゾートにいってくるからその間に、今住んでいるマンションから出ていってくれ!
とまくし立てた。
そしてリゾートへと出発した。
もしかしたらまだ居座って修羅場になるかも知れないと感じたが、幸いにも女はマンションから帰っていた。
自分の所有物にも何も持っていかれたものはなく、男は胸をなでおろした。
これで新しい女を存分に連れ込める。。
ふと、リビングの隅を見ると、電話が目に止まった。受話器が外れていた、女が引越し業者でも呼ぶときにそのままにしたのだろう。
戻そうとすると変な声が聞こえたが何を言っているか分からない。混線か何かだろう。
その1ヶ月後、このちゃらい男には天罰が下った。数十万にも昇る電話代の請求が届いた。
彼がリゾートにいっているまる1週間、彼の電話は日本の天気予報に繋がりっぱなしだったのだ。
嫉妬深い彼女の最後の復讐に、男は頭を抱えるばかりだった。


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