震災レイプ             


1995年1月17日、いまだにその爪あとを残す大災害が
神戸・淡路島を中心とした地域で発生した。
死者6000人以上を出した阪神・淡路大震災である。

それからすぐに、神戸の町で強姦魔が出没しているとのうわさが広まった。


車に乗った数人の男が若い女性に声をかける。
「自身でお風呂に何日も入ってないでしょ?ちかくに体を洗えるところができたから案内するよ」
そいってついて来た女性をレイプするのだという。

それはかなりのスピードで震災後の神戸の町に波及していったという。


実際に神戸で広まったうわさです。
そのときは強姦魔は単独犯だとされたようですが、おそらく日がたつにつれて
より受け入れやすいストーリーになるように複数犯の話が出来上がっていったのでしょう。

災害時には、パソコンはもちろん、テレビなども使うことが難しくなります。
日ごろ頼っている情報源がなくなってしまうのです。
こうなると、人間とはとても惑わされやすい存在になってしまいます。
かつてテレビやインターネットがなかった時代には、ありえないだろうと思われる話が民衆により信じられて、暴動に発展したケースがたくさんあります。
さらに災害時のような緊迫した状況が加わると、ますます適切な判断ができないのは言うまでもないでしょう。
テレビでもこのうわさに触れるものがありましたが、被害者は見つからなかったようで当事者不在でのあいまいな放送をしていたように思います。
それに、テレビも含めたメディアが明確な否定放送をするわけでもなかったので、現在もこの話を信じている人が神戸を中心に何人もいらっしゃるようです。


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