ミミズバーガー           


あるハンバーガーショップでAさんがハンバーガーを食べていたときのこと―

食べている途中でおかしい噛み応えがしたので、Aさんが食べかけのハンバーガーに目を落とすと、
中に挟まっている肉から太くて赤い糸のようなものが出ているではないか。
それを良く見るとミミズのような形をしていた。

まさかと思いつつも、店長を呼び止めてそのハンバーガーを見せると店の奥にある事務所へ連れて行かれた。
「この話は決して誰にも言わないでください。」
そういって口止め料をとして数万円を渡された。
一連の店長の行動から、やはりあれはミミズだったのだとAさんは確信した。

Aさんは、それから一切ハンバーガーを口にしなくなった。


非常に有名な都市伝説。
信じている人も多いんじゃないでしょうか。
また、
「友達の友達がお金をもらった!」と言う人も結構な割合でいそうです。
もちろんこの都市伝説は嘘ですよ。信じないでくださいね。
では解説のほうをしていきますね。

まず、このハンバーガーの肉ですが、ミミズだけではなく、ネズミの肉や猫の肉といったパターンがあります。
日本に伝わった頃は猫の肉が主流でした。猫の肉だから「ニャンバーガー」なんてしゃれた名前で呼ばれたりしました。
猫の肉の話のパターンは、食べている客が目撃するものではなく、アルバイトの店員が見せの裏口にある大量の猫の首を発見するというものです。(飲み屋でよっぱらおっさんがハンバーガー屋の裏道を歩いていて、猫の生首を見つけるパターンもありました。)
そもそもなぜミミズになったかですが、猫よりもミミズのほうが具体的にイメージしやすいことと、食肉業者さんの間ではひき肉のことを「ミミズ」と呼んでいたために、ミミズバーガーがこの都市伝説の主流になっていたものと思われます。

(以下ちょっとグロいです)
ではミミズは使っていないのか?についてですが、実はミミズはとても調理に手間がかかります。
まず、体内に泥や砂が入っているので、うなぎをさばくように一匹一匹腹を裂いて取り除かなくてはいけません。もちろん機械でこんな作業できませんから人間です。1枚のパテ(ハンバーガーの肉の部分)を作るのにミミズを何匹使うかわかりませんが、大体50匹程度だと考えて、1匹のミミズをさばく時間を10秒だと考えます。そうすると1枚のパテを作るのに8〜9分かかることになります。1人の人間が1時間頑張っても、ミミズのパテを7〜8枚しか作ることが出来ません。時給が700円だとすると、人件費だけで一枚100円です。元など取れるはずもありません。
書いててなんだか気持ち悪くなりました。
さて、仮に人件費を0にしたとしましょう。それでもやはりミミズバーガーは採算が合いません。
釣りの餌に使うミミズもやはり高く、パテ1枚で500円ほどになってしまいます。食用ミミズと言うものもありますが、それは漢方に使われるもので、100g何千何万円単位です。とてもハンバーガーには使えません。

徹底的にコストカットされた牛肉には、たとえ猫でもミミズでもかなわないというわけです。


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