脱出不可能  


青木が原樹海は複雑な地形もそうだが、
何よりもまったく変わらないあたりの景色、目印となるべき太陽の光も届かない場所である。

したがって歩行している道から20mも離れてしまえば
簡単に遭難してしまう。そして、遭難したら最後二度と出ることはできない。
樹海は、一度獲物を飲み込んだら決して逃しはしない猛獣である。


さて、磁石が使えない樹海を同時に有名にしているのはこの「脱出不可能な樹海」
です。


私も見ましたが、たしかにまわりの景色はまったくといっていいほど変化しませんし、
道を外れたところからでは本来の道を見つけることは不可能だといっていいでしょう。

しかし、樹海は必ずしも脱出できないところではありません。
実は樹海は深いところでも5キロも直進すれば何ならの舗装された道に出ることが可能です。
普通のところでも3キロ直進すれば遊歩道か国道139号線に出ることができます。

この直進というのがミソですが、まっすぐ前の手ごろな木に目標を定めて、
何が何でもそこまでたどりつき、またまっすぐ前にある木に……
というふうに歩いていけば、樹海からは脱出できるそうです。

まっすぐ前に目標を持って……
なんだか人生みたいですね。



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