夢と違う


ある女子高生が夢を見た。

学校から帰る途中、変質者に襲われてナイフでめった刺しにされるという夢だ。

それは起きてもはっきり覚えているほどの鮮明なもので、学校に行っても忘れることができなかった。
そして下校時、彼女は夢の中で変質者に襲われたあたりに差し掛かった。

『すごく嫌な予感がする……』

不安で我慢できなくなった彼女は、母親に車で迎えに来てもらうことにした。
待ち合わせ場所のコンビニで雑誌を立ち読みしていると、急に視線を感じて顔を上げた。
店の外には、昨日の夢に出てきた変質者が立っていた。
変質者はこちらを睨みつけ、いらだった様子で吐き捨てた。

「夢と違うじゃねえか!」


非常に類話の多い怪談系のお話です。
どれが源流なのかはわからないほどに、さまざまな本やサイトで取り上げられています。
(某書の読者投稿が始まりとも。)
共通している点は、
「女性が夢を見る」
「夢と違う行動をして難を逃れる」
「『夢と違う』と男が叫ぶ(またはつぶやく)」が挙げられます。

怪談などで話す時は、最後のセリフを大声で叫んで強引に怖がられる方法もあります。


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