牛の首1
・・・と勿体つけてはいますが、牛の首という怪談は存在しません。
どんな怪談だろう?どれくらい怖いんだろう?という人間の好奇心がこの怪談を成長させるのです。
「ねえ牛の首って怖い怪談知ってる?」
「何その話?教えてよ?」
「いや、俺には怖すぎて教えられないよ。」
「なんだよそれ?じゃあ他の人やネットで聞くからいいよ」
「ねえ、友達から聞いたんだけど牛の首って知ってる?・・・」
という流れでどんどん「とても怖いらしいが実体のない怪談」として広まっていったのです。
そもそもこの都市伝説の発祥は「牛の首」という小松左京さんの短編小説からきているとされています。
内容もほとんど同じで「牛の首」という怖い話があるのだが、誰も教えてくれないというものです。
しかし、まったくの創作・でたらめかと思われていた小松左京先生発祥説ですが、
小松先生いわく「SF出版界にはもともと牛の首という小話が存在しており、これを広めたのは筒井康隆である」とのことです。
出版業界から生まれた都市伝説であることは間違いないようです。
しかし、時がたつにつれて「牛の首」に内容が存在しないことにもどかしさを感じた人がいるのでしょうか、
「この話こそ本当の牛の首の全容である!」との話が発表されるようになりました。それについては「牛の首2」以降でお話したいと思います。