スキー場の怪
ある男性がスキーにやってきていた。
平日だったこともあってか、周りにほとんど人はいなかった。
思いっきり滑るには格好の機会だと思い、男性は滑り始めた。
気持ちよく滑っているとゲレンデの横の林の方からなにやら声が聞こえた気がした。
ナンだろうと思った男性が近づくと、今度は「助けて〜!」とはっきり聞こえた。
林の中に踏み入ると、上半身を雪の上に出して助けを求めている女性がいた。
穴に落ちて出られなくなったのだろう。
「すぐ助けますよ〜!」
男性は助けを求める女性の手をつかむと、雪の中から助けようと力を入れて女性を持ち上げた。
『あれ?』
男性が想像していたよりも女性は軽く、ほとんど抵抗のないまま彼女を持ち上げることができた。
しかし、女性の体が軽いのは当然だった。
彼女のあるべきはずの下半身はそこにはなかったのだ。雪の上を見ても最初から穴などはなかったように、雪だけが積もっていた。
そして、男性の持ち上げている上半身の彼女はニヤリと笑った―
テケテケの亜種ですね。
ところどころ考えられた箇所があるようで、話全体のストーリーとしては秀逸だと思われます。
スキーのストックで助け出そうとして女性に追いかけられるパターンもあります。