エイズ・メアリー  


ある男性が出張先のバーで酒を飲んでいると隣の席に女が座った。
女は魅力的かつとびっきりの美人だったので、彼は酒をおごり話しかけた。
二人はすぐにうちとけて、さらに杯を重ねた。
すると女のほうから
「もう遅いから場所を変えましょうか。」
男性の耳元でささやいた。
場所を変えるということは暗にホテルへ誘っていることを知った彼は狂喜した。

そしてホテルで二人は愛し合い、朝になった。
男が起きた時には女はいなくなっていた。
もしやと思い周りを見たが財布や時計などはそのままで、何も取られてはいなかった。
どうやら女は先に帰ったらしい。

彼は身支度を整え、自分も部屋を出るために洗面所へ向かった。

しかしそこで彼は立ち止まり絶句してしまった……

洗面所の鏡には、女の物と思われる真っ赤な口紅で伝言が書かれていた。



「エイズの世界へようこそ!」


自分をエイズと知りながら回りの男に感染させるのがこのエイズメアリーという話です。
エイズ患者に対しての差別的な目線を感じることができますね。

メアリーというのは20世紀初頭のアメリカで自分がチフスに感染していると知りながら
20人以上にチフスを感染された実際の女性、メアリー・マローンからきています。

もともとはアメリカで広まった都市伝説で、舞台はアメリカに限定されたものでしたが、
このように地名は特定されず、舞台が日本ではないかと思われるパターンも確認できるようになりました。(話の内容はまったく一緒ですが)
日本のHIV患者の数も毎年増えています。そのような背景もあり、地名も削られた日本バージョン(?)も発生したのではないでしょうか。



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