まだ日も高いうちにCraigjubだ。また太った。バクチで散々負けたらしくかなり荒れているご様子だ。Craigjubはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを朗読し始めた。

このCraigjubは友達がほしくて仕方がない哀れな人物である。

まだ日も高いうちにPatrickPerだ。また太った。自分の人生でさえも脇役を演じている、そういうタイプだ。PatrickPerはつまらないダジャレを得意げにかましてから本題にふれた。

そう言いながらもセックスアピールを忘れない。

まだ日も高いうちにFrankwhisaだ。また太った。たしか以前に別の客と来た事があったはずだ。Frankwhisaは大袈裟に手を広げて知合いのテーブルに座った。

未だに過去にすがって生きている。

まだ日も高いうちにRandyvapだ。また太った。Randyvapは終始腰を左右に揺らしている。Randyvapはカウンターの上にあったニューヨークタイムズを朗読し始めた。

なかなか話し上手な青年だ。

まだ日も高いうちにDavidnugだ。また太った。頬骨のあたりが腫れて、青黒く変色している。Davidnugはゴマをふりながらこう言った

・・・目が完全にイッてしまってる。

まだ日も高いうちにRobertKedだ。また太った。長生きするとこういう客も珍しくない。RobertKedは涙ぐんでこう訴えた。

この男の子には、もはや帰るべき場所がないのだろう。

まだ日も高いうちにCraigjubだ。また太った。見ているこちらが辟易するくらいの派手な衣装だ。差し出した一杯の水を飲み干すとくたびれた声で一つの話をした。

相変わらずうんちくをたれるのがお好きのようだ。

まだ日も高いうちにPatrickPerだ。また太った。今夜は最悪の気分だ。得意満面で初恋の話をしだした。

PatrickPerの話を聞いていると私まで憂鬱になる。

まだ日も高いうちにFrankwhisaだ。また太った。頬骨のあたりが腫れて、青黒く変色している。Frankwhisaは現地の人間でも分からないのではないかという癖のある訛りでがなりだした。

そういう話は犬にでもしてもらいたいものだ。

まだ日も高いうちにRandyvapだ。また太った。裏の世界しか見てこなかった、世の中にはそういう人間もいる。Randyvapは一枚一枚時間をかけてゆっくりと妖艶に脱ぎ始めた。

「誰も自分を解ってくれない・・」最後にそうつぶやいた。