今から34年前=1972年(昭和47年)の5月、大阪・千日前ビルで、火災事故がありました。
それも117人もの死者を出す惨劇。
そのせいか、この周辺には今でも様々な怪談系都市伝説があるようです。
ある会社員が大阪の千日前の地下鉄の出口から出ると、外は雨だった。
傘を広げ、行き交う人をよけながら歩き出したが、何故か街には凄く嫌な雰囲気が漂っている。
それにすれ違う人も、どこか変だ。雨なのに誰も傘を差してない。
しかもみんな無口で、暗い顔して、同じ方を見ながら歩き去って行く。
と、少し離れたところで急にタクシーが止まり、会社員の方に手を振りながら「こっちへ来い!」と言う。
会社員は「いえ、タクシーには乗りませんから」と言ったが、運転手さんの「いいから、とにかく乗って!」という勢いに押され、また嫌な雰囲気もしていた事だし、その場から逃れるようにタクシーに乗った。
しばらく走った後、運転手さんは真っ青な顔をして言った。
「いやあ、あんたが“誰もいない道”を、“誰かをよけるように”して歩いてるもんだから、これは助けなきゃいかんと思って……」