去年あまりに暇だった時、こち亀を1巻から140巻まで2日で読破という荒行を行っていたときのことでした。
4巻を読んでいると妙なことに気付きました。1話だけあきらかに絵柄の違う話があるのです。
他の話は初期のゴツゴツした両さんが描かれているのですが、70巻くらいの絵柄の両さんが登場する野球狂のドタバタした話だけが妙に浮いていたのです。
丁度ネットカフェにいたので検索してみると、なぜ1話だけ絵柄が違うかわかりました。
それは4巻に欠番となった話があったのです。絵柄の浮いた話はそれの穴埋めとして描かれたいわば穴埋め的作品でした。
その削除された話は「派出所自慢の巻」で、欠員の出た派出所に両津と中川が応援に行くと言う内容です。
しかしその応援に行った先の派出所の責任者が旧日本国軍にかぶれた所長で、派出所には旧日本軍が使用していた歩兵銃などが飾られています。応援に来たのはいいですがその派出所はとても寒かったので、両津と中川は焚き火をして暖を取ることになりました。
そこで何を思ったか中川が「天皇陛下バンザーイ!」の叫びとともに派出所の銃を焚き火にくべてしまいました。
「おお、みごとにもえてる!」とは隣に居た両津の発言ですが、このあたりの描写がまずかったようで、「派出所自慢の巻」は欠番となってしまいました。
そういえば、昔友達の家で見せてもらったこち亀にはこの話が載っていました。
こち亀の大規模な自主規制や改変は92年前後に行われたそうなので、初版のものと現在発売されているものでは(特に初期の作品)かなり違ったものになっていると思います。