面倒を見る子供たちは三人で、社長の家ということで時給もいい。彼女は良いバイトを見つけられたと喜んだ。
バイトはじめて数日目の夜。
子供たちを2階に寝かせたあとに彼女は一階のリビングでテレビを見ていた。
そのとき電話が鳴った。受話器をとった彼女の耳に、恐ろしい声が飛び込んできた。
「ケケケケケ……!」
男の不気味な笑いが聞こえる。
いたずらだと思って電話を切った。
数分後、また笑い声の電話がかかってきた。
彼女は「こんな電話をすると警察に相談しますよ!」と強い口調で言った。
すると男は口調をがらりと変えて
「殺す!殺す!殺してやる!待ってろよケケケケ……!」
電話は切れた。
恐ろしくなった彼女は警察で通報した。
さっきの電話のことを伝えると、次の電話のときに逆探知を試みるからなるべく電話を切らないでくれという。
そして男から再度電話がきた。
殺すとか死ねなどの意味不明・支離滅裂なことをいっているが、警察が逆探知をしているために切れない。
しばらく適当に相槌を打ってなんとか会話を長引かせ電話を切ると、すぐに警察からかかってきた。
「早く家から出てください!男はあなたがいる家の二階から電話をかけています!」
彼女は急いで家から飛び出した。
パトカーがこちらへ走ってくるのが見える。
警察が家に飛び込み、ナイフを持ってヘラヘラ笑っている男を取り押さえた。
だが残念なことに、二階で寝ていた子供たちはみんな犠牲になってしまった。
犯人の男は元従業員の男で失業して精神を病んでこの犯行に及んだという。
解説
1970年代初頭からアメリカで広まった歴史ある都市伝説です。
日本にも登場人物を変えて「ストーカー」という話になっています。
日本にも登場人物を変えて「ストーカー」という話になっています。