ドラえもんの最終回2

ある病院のベッドの上にのび太が横たわっている。
その顔には生気がほとんど見られず、再び起き上がる気配は微塵も感じられない。

その様子を親友のドラえもんがじっと見つめていた。
しばらくするとドラえもんはベッドから視線を上げ何かを決心したように目を見開いた。

のび太の手を握るとドラえもんの体が今まで見たこともないような光に包まれた。そしてドラえもんが光ると徐々にではあるがのび太の顔に赤みが差し始めた。
しかし、のび太が元の健康な顔色を取り戻した頃にはドラえもんの光は消えかかり、のび太がまぶたを開いて目を覚ましたと同時にドラえもんの光は消えて動かなくなってしまった。
ドラえもんはのび太を植物人間の状態から救い出すために自分の命を燃やしつくし、機能を完全に停止してしまったのだ。

のび太は自分の手を握り動かないドラえもんを抱きしめて泣き叫んだ。

「ドラえもーん!!!」

その瞬間、のび太の頬から流れた涙がドラえもんの顔にぽとりと落ちた。

神のいたずらだろうか、人間とロボットを越えた友情が奇跡を呼び起こし、ドラえもんが目を覚ましたのだ。

「い、痛いじゃないかのび太くん。」

♪あんなこといいな できたらいいな
あんな夢 こんな夢 一杯あるけど
みんなみんなみんな かなえてくれる
不思議なポッケで かなえてくれる

という曲とともにスタッフロールが画面を流れ出す。
これがドラえもんの真の最終回なのだ。

解説

わりとマイナー感のある最終回のパターンです。
どうしてのび太が植物人間になったか説明されていないのがややインパクトにかけたのでしょうか。