美容室の客

ある駅前の美容室ではその日の店じまいが行われていた。
閉店時間より少し早いが、今いる店員は女の子一人だけなので早めの閉店作業だった。

そのとき丁度、ひとりのサラリーマンが店に入ってきた。
店員は閉店間際の客をいぶかしく思ったが、彼の話だと明日重要な会議があるためにどうしても今日中に髪を切りたいのだという。
その話を聞いて店員も納得し、彼にビニールのシートをかけて店の奥にしまった散髪用具を取りに行った。
しかし、用具の入った箱を持って戻ってきた彼女は、とんでもないものを見てしまう。

彼はシートの下でなにやら手を動かしていました。
股の付近から15センチくらいに突き出しているものをシュッシュと触っているのです。

店員は彼女一人だけ、急に恐ろしくなった彼女はとっさに手に持っていた用具箱を彼の後頭部へ投げつけて気絶させると近所の交番の駆け出しました。
そして彼女が連れてきた警官が彼のシートを剥ぐと同時に彼の手からメガネとハンカチが床に落ちました。
彼はシートの下でメガネを拭いているだけだったのです。


解説

おそらく1980年代に外国で成立した話が、ほぼ原型をとどめた状態で日本へ輸入され、語られるようになったものでしょう。

日本でも、美容師の専門学校や業界内の人の中ではそこそこの知名度を持っているそうです。