永久機関

永久機関とは外部から力を受けることなく、外部に対して仕事を続ける装置のことである。

これが完成すればあらゆるエネルギー問題を解決することが可能になるため、人類の夢の一つである。
永久機関の完成には、何世紀も前から様々な人間が挑戦してきたが、かなうことはなく現在では永久機関の実現は不可能とされている。
しかし、最近でもアントニオ猪木氏が開発したとの会見を開いたように(会見時には不動、後日撤退宣言)、いまだにこの夢に挑戦するものは後を絶たない。

不可能とされている永久機関ですが、歴史上一人だけ永久機関を作ったと言われる人物がいます。
その人物の名はオルフィレウス、彼が作った装置は「オルフィレウスの自動輪」とも呼ばれています。

彼が歴史に登場したのは1712年。
スイスのある町に現れた彼は自作した自動輪を公表します。
この実験では3キロの重りを釣り上げたと言われ、実験は成功しますが、
彼の性格(高慢な人間だったとも)や住民との折り合いの関係で、彼は町を後にします。

翌年、別に町に現れた彼は前回よりも強力な自動輪を発表し、この時には20キロものおもりを釣り上げて評判になったと言われています。

この評判を聞きつけたカール大公はオルフィレウスのスポンサーとなり、その研究の金銭的なバックアップをするようになりました。
しかし、外部からの力を受けずに動き続けるその車輪を信じない人間がまだいました。
彼らは車輪の仕掛けの内部で人間が隠れて回しているのではないか?といった批判的ない縁をオルフィレウスにぶつけました。
そういった意見にオルフィレウスは真っ向から挑み、1717年には自動輪に関する大規模な実験を行います。
この実験では、装置を動作させた後部屋を完全に密閉して、しばらくのちに部屋を開け装置が動いているかを確認するというものでした。
装置を作動させ、ドアの部分にも一度開けたらわかるように細工をして、2週間後、そして2ヶ月に部屋に入ったオルフェウス一行は、依然として動き続けている車輪を見て驚きました。これを見た人々は、これこそが永久機関であると認めました。
この装置に完全に心を奪われたカール大公はオルフェウスから自動輪の買い取りを計画します。オルフェウスから提示された値段は破格の二〇〇〇〇ポンド、彼の地位でもその金額を揃えるのは容易なことではありませんでした。そのために大公はロンドンのアカデミーに資金を借り受けることにしました。アカデミーは大金なので調査員に調べさせ、本当であれば融資するということになりました。
アカデミーの調査員もオルフィレウスの自動輪は本物であると結論付け、カール大公は自動輪を買い取ることになりました。
しかし、ここでオルフィレウスの性格が災いします。彼はアカデミーの調査が自動輪の秘密を盗もうとしていると誤解し、自らこの自動輪を破壊してしまったのです。

このため、彼が作り出した自動輪の詳しい仕組みは現在でも分かっておらず、これこそが永久機関であったのかどうかも不明なままです。