こういう話を聞いたことがあります。
度合いがどうであれ、精神障害者は、無罪・・・或いは、減刑になるのが、セオリーのようです。
しかし、何年か前、こういう事件があったそうです。
タツオ(タツコ)(♀)と同棲していたマキコ(♀)が、そのタツオを些細なことから殺してしまいます。
それなら、普通の痴情のもつれで済みます。
しかし、初公判の日、裁判長に「以上の起訴事実を認めますか?」と聞かれ、「いいえ・・・、いいえ、マキコは殺してないわ。」
『は?』「マキコは、殺していないけれど、私、マミがタツオを殺したの』そう、マキコ・・・いえ、マミは、とうとうと語ります。
それまでの、怯えたような印象の欠片はもうありません。
どこか、狂気めいた語りは、続きます。
マキコはタツオに、虐待されていた。だから、可哀想なマキコの為に殺したと。
・・・・・・・・・普通なら、無罪になって、精神病院へ入れられるはずのマキコ。
だけど、彼女は有罪になった。
正確に言えば、マミが、有罪として、無期懲役の刑を受けた。