就活錬金術

バブル期と今ではあらゆるものが違っている。
今では考えられないような羽振りのいい逸話が実際に起こっていた。
とりわけ今と違うのは就活事情だろう。
各企業は学生の囲い込みに必死になっていた。それを逆手にとってある学生はお金儲けを思いついた。

当時の大手企業はわざわざ説明会や面接に来て頂く学生のために交通費を出していた。
もちろん全国どこから来ても全額負担である。今では考えられないことではあるが、宿泊費や謝礼まで付けるところもあった。

福岡に住むある学生はバブル期の就活で一財産を作った。
彼は東京の友人のところにタダで数ヶ月居座り、その間東京の大手企業へ毎日に数カ所通いつめた。
会社に行くと、福岡から新幹線ではるばるやってきたことを告げた。そして今日は遅いのでホテルで一泊して明日の新幹線で帰ることを伝えるのも忘れなかった。
その熱意に感激した会社は例外なく彼に往復交通費と宿泊代として毎回5万円以上手渡した。

そして就活が終わる頃、彼は数百万円もの現金を手にしていた。


解説

羨ましい話ですね。
私はニートのころ、専門学校の見学でサンドイッチをもらったことが最高でしょうか。

今はこれが真逆となっていまして、就活掲示板やツイッタを覗くと地方に住む人は10分の面接のために深夜バスに乗って時間を掛けて東京までやってくるそうです。
地方住みの学生さんたちの中には就活のために十万円単位でお金を使う人もいるそうですね。
生まれた時代を恨む人がいるのもうなずけます。