高級茶

ある東南アジアに日本人が観光に行った時の話。
マーケットにある露店の男からお茶を勧められた。
日本はおろか、原産地でもほとんど扱う人はいないという超高級のお茶っ葉を売ってくれるという。
値段はたしかに高かったが、せっかく海外まで来たのだからと少し無理をして買ってみることした。
それからマーケットをぐるりと一周して、宿泊先のホテルまで帰ろうとすると、警官に呼び止められた。
呼び止められたというよりも荒々しく捕まったいった方がいいだろう。
ワケも分からず、なぜこんなことをするのかと警官に尋ねると、警官は麻薬所持の疑いで捕まえなくてはいけないと、
驚くようなことをいうのだ。
男性は身の潔白を証明すべく、その場で麻薬などを勝手はいないと、持っていたものをすべて見せた。
警官は荷物の中から高級茶の袋を開け、
「これが麻薬でなくてなんだというのだ?」
と男の前に突き出した。
なんと男性が高級茶だと思って買ったものは乾燥した大麻だったのだ。

実はこの国、麻薬撲滅ため、麻薬を所持している人間を警察に通報すると報奨金がもらえる制度があった。
先程男性に高級茶を売りつけた露店の男は、もちろん大麻だということを知りながら男性に高値で売り付け、
そのうえ警官に通報して報奨金も手に入れたという。


解説

不慣れな土地で悪意に巻き込まれる怖さが、このような話を産んだのかもしれません。
しかし、本人が意識せずに麻薬取引に巻き込まれ逮捕されてしまうという事例も現実に発生しています。
海外では怪しい人との付き合いを避け、危険と呼ばれる地域からも離れた場所で過ごすことが大切なようです。

参考サイト:
違法薬物の密輸に巻き込まれる危険性の増加(官公庁サイト)