鉢植え

ある女性が、外国の友達からキレイな鉢植えを貰った。
花を好きな女性はとても多い。
彼女も例外ではなく、定期的に水をあげて鉢植えの世話をした。
しかし、水を与えていると「キー」と変な音が聞こえた。
何の音だろうか。あたりを見回すがテレビもパソコンも付いていない。


そして数日後、鉢植えに水をあげるとやはり「キーキー」と音がする。
どうやら鉢植えから音がしているようだ。
彼女は植物を専門とする施設に電話を入れて花の名前と手に入れた経緯、そしてこの不思議な症状を報告した。
すると電話先の研究員らしい人から「これからすぐに向かいますので、その鉢には決して近づかないでください!」と釘を刺された。
数時間後、所員と思しい男性数名が防護服に身を包んで部屋に来て鉢植えを慎重に持ち帰った。彼女はあっけに取られるばかりだった。
翌日、施設から電話があってこう言われた。
「あなたはとても運がいい。あの鉢植えの鉢の部分には毒グモがウジャウジャと巣食っていたんですよ。」
水をあげたときに聞こえたあの奇妙な音は毒蜘蛛の鳴き声だったのだ。