プロムハイカー

アメリカではプロムと呼ばれる学校のダンスパーティーが卒業前になると行われる。
カップル同士でいくのが普通で、このパーティーに女の子を連れて行けない男はもてない男というわけだ。
ここにも二人、プロムまで女の子をゲットできずにしょぼくれる男が二人いた。
とうとうプロム当日、しかし女の子は見つからない。
しかたなく男二人で会場で向かうことにした。なんとも情けない話である。
しかし、そんな二人に奇跡が起きる。なんと会場へ行く途中にとびきり美人の女の子を拾ったのだ。
プロムでは注目を集め、二人はその女の子と交代で踊った。
だがなぜか女の子は激しいダンスをしても汗をかかなかった。

そしてプロムが終わって帰るときに寒いだろうと女の子にジャケットを貸した。
もちろんまた会える口実を作りたいという下心があったもの事実である。

翌日、ジャケットを返してもらうため彼女の家にいくと母親が出てきてこう言った。

「娘は3年前のプロムの日に亡くなりました。」

その子の墓には昨日貸したジャケットがかかっていた。



解説

プロムというものになじみのない日本ではあまり類話らしきものは見られません。
ですが、アメリカではなかなかの知名度を持っている話です。
起承転結がはっきりといているのがポイントでしょうか。