チョーキングドーベルマン

アメリカで起こったとされる話―

ある女性が家に帰ると、飼っているドーベルマンが玄関で苦しんでいた。
何かを喉に詰まらせているようで、一刻を争うほどだった。
女性はすぐにドーベルマンを車に乗せ、近所の獣医へ駆け込んだ。
獣医の見立てだと、やはり喉に何かを詰まらせているようだが、すぐに手術をするので命の心配はないという。
これには彼女も胸をなでおろした。
それと、術後の経過も見たいので何日か犬を預かるという獣医の申し出を了承し、安心して帰宅した。
彼女が家に帰ってしばらくすると、電話が鳴った。
誰かと思うと先ほどの獣医からで、慌てた声でこう言った。
「今すぐにその家から出てください!そしてすぐに警察に通報してください!」
電話口の鬼気迫る声に圧倒され、彼女は言うとおりに家を急いで出て警察に通報した。
彼女の家に踏み込んだ警察は、クローゼットの中でぐったりしている強盗を見つけ逮捕した。
飼っていたドーベルマンが喉に詰まらせていたのは強盗の指だったのだ。



解説

アメリカではとても有名な都市伝説。日本の口裂け女や人面犬くらいの知名度があります。
かなり昔から「私の街で起こった話」として全米各地でながれています。
荒々しく攻撃的な番犬を飼わない日本ではあまり流行らなかったのではないでしょうか。