マカロニほうれん荘

70年代の週刊少年チャンピオンはまさに黄金時代だった。
ブラックジャック、ドカベン、魔太郎がくる!!、恐怖新聞、750ライダーなど人気作品が目白押しで、一時期は少年マンガ誌の部数トップに立っていた。
これらの強力連載陣の中でも特に人気だったのが、鴨川つばめ先生の「マカロニほうれん荘」である。
先の展開が全く予想の付かないドタバタギャグで、多くの読者から熱狂的な支持を得ていた。

しかし連載が続くにつれて、作者のストレスは計り知れないものになっていった。
作者は何度も編集部に連載終了を申し出たのだが、当然却下。
人気作品を手放したくない編集部は、連載終了など考えてもいなかったのだ。

そんなボロボロの状態で暫く連載は続けられたが、とうとう作者に限界が訪れた。
編集部に訴えてももダメならと、サインペンで背景を描き殴った完成には程遠い原稿を編集者に渡すようになってしまった。
さすがにこうなっては編集部も連載終了を受けざるを得ず、それから1ヶ月ほどしてマカロニほうれん荘は最終回を迎えた。

しかし、作者の抗議の色が強く未完成レベルの原稿である最終話から1~5話前のエピソードは単行本・文庫版にも収録されていない。



解説

私もこの作品は大好きで、単行本で読んでいました。
たしかに最終回に近づくに連れてなんとなくパワーダウンを感じるようになり、最終回は背景の一部がたしかにサインペンで描かれたようになっています。
単行本未収録のエピソードは更に酷い原稿状態らしく、完全に読むためには掲載されていた雑誌を買うしか方法がありません。