彼らは海に飛び込むためにちょうどいい高さの崖を見つけた。
下の浜辺ではメンバーの一人が順番に飛び込む人たちを一枚一枚思い出のためにカメラで撮影していた。
パシャ!・・・ドボン!
パシャ!・・・ドボン!
ひとりひとりが騒ぎながら飛び込んだり、空中でへんなポーズを取りながら飛び込んでいった。
だが、飛び込んだ一人がいつまで経っても浮かんでこなかった。
心配になった彼らは警察も呼んで探したが、無念にも数時間後浮かんでこなかった一人は水死体として発見された。
一週間後、写真を撮っていたメンバーが現像されたあのときの写真をチェックしていると、
ある一枚に視線が釘付けになった。
それは水死体で発見されたやつが飛び込む瞬間を撮った写真だった。
空中でポーズを決める彼の下の海面からは、無数の白い手が伸びていた。
まるで彼を海中へ引き寄せるかのように・・・
解説
自殺する瞬間を偶然カメラマンが撮影するパターンもあります。
それもこの話同様に「海中に引きずり込もうとする手が~」と締めくくられます。
もちろんこんな写真は存在しません。だって誰も見たことがないのですから。
それもこの話同様に「海中に引きずり込もうとする手が~」と締めくくられます。
もちろんこんな写真は存在しません。だって誰も見たことがないのですから。