教授のメモ

ある大学の教授が失踪してしまった。
最初は旅行にでも出てしまったのだろうと一緒の研究室にいた助手は思ったが、
教授の家族とも連絡が取れないことが分かった。

直接家に出向いてもそこはもぬけのからで、家財道具も何一つ見当たらない。
いよいよただ事でないと思った助手は、研究室に戻ると警察に届けようと思った。

しかし何気なく開いてみた自分の机の引き出しに見慣れない一枚の
折りたたんだメモが入っているのを見つけた。

『もしかして教授からの手紙だろうか・・』

そしてメモを開き、文面を読んだ助手は絶句した。
そのメモにはこう書かれていた―


このメモをみたならすぐに関東地方、いや出来る限り遠くへ逃げてください。
そしてこのメモの内容を決して人には伝えないでください。
もしそうすれば日本はパニックになるでしょう。
ゼッタイに●月●日に関東地方周辺に居てはいけません。



助手はメモをポケットに捻り込み、急いで荷物の支度をした。
失踪した教授は地震予想の世界的権威だったのだ。