ある会社の試験に臨むA君には、手を組んで親指をくるくると回す癖があった。
だれにでも癖はあるものだが、A君の場合は特に癖が強かったようでなんと大事な面接中にもかかわらず手を組んで親指をくるくると回し始めてしまった。
それにはさすがの面接官も驚いてしまい、くるくると親指を回しているA君に悪態をついた。
「きみ、君にはそれしかできないのかね?」
しかしA君はとっさの機転をきかせてこう言った。
「いえ、逆にも回すことが出来ます。」
A君は親指を逆の方向へくるくると回しだした。
その臨機応変な対応に面接官は感動したのか、A君は見事内定を勝ち取ることができた。