逆立ちでPR

ある酒造メーカーの最終面接でのこと。
簡単な挨拶を済ませ、男子学生が面接を受けていた。
これといった特徴のなさそうな生徒で面白みに欠けているので合格ラインぎりぎりといったのが面接官の感想だった。
面接が中盤に差し掛かったところで自己PRをしてもらうことにした。
すると学生はいきなり椅子から立ち上がり、逆立ちを始めたのだ。
面接官は鳩が豆鉄砲を食らったような顔でそれを見ていた。この学生は体力自慢でもする気なのだろうか。

「私が逆立ちをすると御社の商品になります!頑張ります。」

逆立ちしながら言葉を話すのが大変なようだがますます意味が分からない。
だが、学生の履歴書を見た面接官たちは思わずニヤリとした。
学生が通っているのは関西大学。つまり関大である。
これを逆にするとこのメーカーのロングセラー大関になるというわけだ。

体を張ったPRに会社は内定という形で応えた。