悲しい現実

偏差値が低く、誰でも入れると言われている大学、
いわゆるFランク大学で行われた、とある講義の話。

その講義は『働くこと、就職するということはどういうものか?』という内容で、
これから就職活動を始める学生向けのものだった。
その講義を担当した教授は、イマイチ就職というものに現実感を持たない学生たちに真っ白い紙を配った。

「今配った紙に、皆さんの知っている企業の名前を出来る限り書き出して下さい。」
20分という制限時間を付け加えると、教授は時間を計り始めた。
学生たちはいきなりの指示に戸惑いながらも、とりあえず聞いたことがある企業を白い紙に書き出し始めた。

トヨタ
ドコモ
ホンダ
キャノン
フジテレビ
グーグル




思い出しながらではあるが、20分という時間の中でかなりの数の企業を書くことが出来た。

そして教授は口を開いた。

「はい、今書き出した企業には皆さんは入社することが出来ません。
そこに並べた企業以外から就職先を探して下さい。」