作者の気持ち2

ある作家が、学校から帰ってきた娘に質問をされた。
「今日はお父さんが書いた作品を学校で習ったの。それでこの作品について教えて欲しんだけど。」
自分の作品が教科書に載ることは知っていたのだが、自分の娘の教育の題材として使われていようとは思わなかったのでびっくりした。
しかし、このことは父親として鼻が高かった。
「それでね、宿題で『この時の作者の気持ちを考えてくるように』っていう問題が出されたんだけど、お父さんはこの作品をどんな気持ちで書いたの?」
父親は正直な気持ちで答えた。
「締め切りに追われて必死だったなぁ。」
この答えを自信満々で学校に持っていった娘は、先生から『ふざけるのもいい加減にしなさい』と、ときついお叱りを受けてしまった。



解説

ウソのような話ですが、これは火垂るの墓の作者として知られる野坂昭如(のさかあきゆき)さんと娘さんのエピソードであります。

それにしても、国語の文章問題の正解は誰が決めているんでしょうね。