ドラッグストア

(都市伝説ラジオより、ブローカーさんありがとうございます。)

ある若者が可愛い女の子との初デートにこぎつけた。
彼はこの晩にも彼女を口説き落とすつもりだったので、万全の準備をして出かけることにした。コンドームを買うため、ドラッグストアへ立ち寄ったのである。
「先週のパーティーで知り合った娘(こ)なんだ」
意味ありげに笑う店長に、若者の舌は、照れ臭さに期待と興奮も混じって、自然と軽くなった。
「彼女の家族は今夜、外出するんだ。あとは広いアパートに2人きりというわけ。その後は分かるだろ?」

夜がふけて彼女のところへ到着すると、彼女は若者を戸口で迎え、抱きしめた。
「もうすぐ、みんな出かけるわ」とささやく。「パパが帰ってきたら、みんなそろってオペラを観に行くの」
間もなく彼女のパパが帰宅し、彼女は両親に若者を紹介した。

「僕もお嬢さんと一緒にまいりましょうか?」と若者。
「あら、あんた方若い人は、私たちみたいな年寄りと夜を過ごすのは退屈でしょう?」母親が言った。
「そんな退屈だなんて。是非、ご一緒させて下さい」と、呆気(あっけ)にとられる彼女が口を出す機会も与えず、一方的に決めてしまった。

「知らなかったわ。あたながそんなにオペラが好きだったなんて」彼女が溜め息まじりに小声でつぶやいた。
「僕も知らなかったよ、君のパパがドラッグストアの店長だったなんて」


解説

アメリカのコントにありそうなお話。
たしかに性や男女に関する都市伝説はコメディー色が強いものが多い気がしますね。