ドラえもん解説編2

ポケベルから携帯電話に移り変わるころから「ドラえもんの最終回」に関する話が広まり始めました。
インターネットやチェーンメールに原因があるのは明らかです。
それ以前にもドラえもんの最終回なるものを唱えていた人はいましたが通信手段の発達とともにそれを知る人数はぐっと増えました。
それに伴いさまざまな説が淘汰されていき、2つの説が残りました。
・のび太が実は植物人間説
・のび太がドラえもんの開発者説
です。

しかし、これも現在(2007年)では開発者説が主流となり、のび太植物人間説をあまり聞くこともなくなりました。

なぜ開発者説が最後に勝ち残ったかと言いますと、テレビなどでタレントが「ドラえもんの最終回ってこういうんですよ~」
と開発者説を語ったためだと言われます。

タレントの意見以上に世間に衝撃を与えた「のび太開発者説」が引き起こした事件があります。

もともと開発者説は、某サイトの管理人が「自分が考えた最終回です」と掲載していたものがチェーンメールなどで広がっていきました。

そして2005年にTさんという方が開発者説を基にし、いろいろな要素を自分なりに付け加えて「ドラえもんの最終回」を描いた同人誌を発売されました。
この作品は同人誌としては異例の1万部以上の大ヒットを記録し、漫画評論家の夏目 房之介さんも「感動して泣いてしまった」と言われるほど完成度の高い作品でした。
当初は藤子プロも黙っていましたが、1万部以上のヒットに加えてネットへの拡散や藤子プロへの問い合わせが増えると、ついに著作権侵害を通告してTさんは在庫をすべて破棄し今まで売り上げた同人誌の利益の一部を小学館・藤子プロへと払うことになりました。
最終的な売り上げは1万3000部を超えていました。

Tさんは未完の長寿漫画に存在する、幻の最終回の犠牲者だったのかもしれません。