突然の不幸


ある幸せな家庭で起こった、悲劇としか言いようのない話―

この日、母親は選択をして旦那や子供たちの汚れた服をせっせと洗っていた。
離れた部屋では小さい女の子と生まれたばかりの男の子がじゃれ合って遊んでいた。
そして、男の子の股に付いているものが自分には何故付いていないのかという、
純粋な疑問をいだいてしまった。
一度疑問に思うと気になって気になって仕方がない。
それを知ってか知らずか、弟は無邪気に笑っている。
とうとう我慢できなくなったお姉さんは、最近使い方を覚えたばかりのハサミを持ち出して弟のおちんちんを切断してしまった!
急に鳴き声が大きくなったことに気がついた母親は子供たちの様子を見て仰天し、
救急車を呼ぶよりも自分で運んだほうが早いと直感的に思い、急いで弟を抱き抱えて家をでた。
そして、ガレージに頭から入っていた自動車をバックで発進させてた。
だがその時、家の外まで付いて来ようとしたお姉ちゃんを後輪でひき殺してしまった。


解説

全く救いようのないこの話、実は100年の歴史があります。
家畜市から帰ってきた父親が、売上金を机の上に置いて少し家を離れた。
その間に息子が大事な紙だということを知らずに、はさみでチョキチョキと切ってしまう。
それを見つけた父親は子供を撃ち殺し、この様子を見た母親は失神してしまい、行水させていた娘は溺死。
父親は首を吊るというもの。
こういう話が好きなんでしょうか。
ちなみにみんな大好きグリム童話にも似た話が収録されていました。
(グリム童話は子供向けの本として売られていく過渡期に、かなりの話が削られ改められました。)