(掲示板より、十叶夕海 さんありがとうございます。)
実家が、葬祭業の関係で、耳にしたお話です。
扱うモノがモノのせいか、怖い話には、コトを欠きません。
ですが、一つ、怖い話と言うには、哀しく。
恐ろしいと言うには、涙を禁じえないお話があります。
今現在、日本では、火葬が義務づけられています。
当然、亡くなられた方が、棺に入り、数千度で1時間以上掛けて、燃やされます。
しかし、何百万何千万の一の確率で、医者の誤診か、火が入れられてから、息を吹き返す人がいるそうです。
当然、死にものぐるいに、叫び、搬入口を叩きます。
爪を立てます。
ですが、厚い厚い扉の前には、声も、叩く音すらも届きません。
届いても、炎の轟音に、掻き消されます。
髪は焼け、声は飲み込まれ、身体は溶けていきます。
苦しんで苦しんで、一番苦しい死に方で、もう一度死ぬのです。