ドラえもんの最終回の話題についてはいろいろなパターンがありすぎて、
正直まとめるのが非常に大変でした。
紹介できなったものには「ある道具を使って宇宙の果てまで膨張して終わり」というものや
「なぜかのび太とドラえもんが大富豪になって終わり」という首を傾げたくなる最終回があります。
まずは本当に「ドラえもんの最終回」は存在するのか?
を見ていきましょう。
藤子先生が最終回にしようと考えて書かれた作品は漫画では3作品あります。
なぜ3つもあるかというと、これは掲載していた「小学●年生」という雑誌の性格上、
『3月で一区切り』という気持ちがあったからだと思われいます。
なので3作品とも3月号(卒業式や終了式がある年度最後の月ですね。)に掲載されました。
あらすじも簡単に紹介したいと思います。
1、小学3年生3月号掲載1971年
時間の航行者のマナーが悪くなったために取締りが行われることになった。
その影響でドラえもんは未来へ帰らなければならず、のび太の制止もむなしくもといた世界に帰ってしまう。
2、小学3年生3月号掲載1972年
自転車に乗れないのび太が、ドラえもんに自転車に乗れる道具を出してもらおうとした。
するとドラえもんは未来へ帰らなくてはいけないという。のび太がドラえもんになきついてばかりなのが原因だそうだ。
のび太は必死に引き止めるが、やがて「ドラえもんのために我慢するよ!」といった。
それに感動したドラえもんはすべてを打ち明けてセワシと未来の世界へ帰っていった。
3、小学4年生3月号掲載1974年
ジャイアンにいじめられたのび太はいつものようにドラえもんに泣きついた。
だがドラえもんから返ってきた答えは
「未来の世界に帰らなくてはいけない」
というものだった。
必死でのび太は引き止めるが、パパとママにも説得されて結局折れることになった。
その夜、のび太とドラえもんは「眠くならない薬」を飲んで散歩へと出かける。
最後の夜の散歩で思いで振り返っているとこみ上げてくるものがり、
ドラえもんはのび太に頬を伝う涙を見せまいと途中で別れる。
そしてのび太は、寝ぼけて道をうろついているジャイアンに出会って喧嘩になる。
「ドラえ…」といつものようにドラえもんを呼ぼうとするがのび太は思い直し、
「けんかならドラえもんぬきでやろう」と言うのだった。
ジャイアンとの喧嘩でのび太は何度も殴られてボコボコにされてしまうが、自分がしっかりしないとドラえもんが安心して帰れないと必死にジャイアンに立ち向かっていくのだった。
その気迫に圧倒され、ついにジャイアンも
「いてて、やめろってば。わるかったおれの負けだ。ゆるせ。」
と負けを認めるのだった。
喧嘩の現場の駆けつけたドラえもんはボロボロになったのび太を家まで抱えて連れて行った。
そして布団へ寝かせると、その様子を静かに見守った。
朝、のび太が目を覚ますと、もうドラえもんはいなかった。
「部屋がガランとしちゃったけど、すぐ慣れるから心配するなよドラえもん。」
のび太はひざを抱えてタイムマシンの入り口であった机を見ながら物思いふけるのだった。
このうち1,2は単行本未収録ですが、3につきましては単行本6巻に載っています。
2番の話は旧ドラと呼ばれる日本テレビ版のアニメ「ドラえもん」の最終回に使われています。
漕げなかった自転車を必死に練習する様子を未来からドラえもんが暖かく見守り終わりというものです。
この日テレ版ドラえもんが1973年の9月に終了したことを受けて、
新連載の予定もあった藤子先生はドラえもんを終わらせようと考えました。
そして一時は本当の最終回にしようと描かれたのが3の「さようなら、ドラえもん」です。
(結局、藤子先生は新しい連載を考えてもドラえもんのことが頭から離れず、再びドラえもんを描かれる事になります。)
最終回にしようとした証拠として、ラストのコマで机の横の置かれているゴミ箱にはローマ字で「OWARI OWARI……」と描かれていました。
(しかし、単行本のほうではゴミ箱の文字が「LOVE」に変わっており、先生の心境の変化を表しているように思えます。)
結論を言いますと、最終回をにおわせる作品はありますが、
「これが最終回!」という確定的なものは1つもありません。